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風景の余白
フェルメールの謎
フェルメールは一般的に古典的な、安定感のある世界を描く画家だと思われていると思う。
しかしほとんどのフェルメールの作品は、謎を投げかけてくる。
それはおそらくフェルメールが意図的に組み立てた仕掛けであり、謎として見るものをとらえ、
謎であり続ける。
フェルメールの謎 1 2016.2.25

「水差しを持つ女」 フェルメールとレンブラント 森美術館
この絵の第一印象は、人物が丁番で横に開く窓が 少し開いた状態で窓枠をもって、ステンドグラスを見ているという印象だった。
しかし窓枠は下に接しており、どうやらそうではなさそうだ。とすると窓辺に置いたステンドグラスの枠を抑えてを見ているのだろうか。このステンドグラスの窓?はどうなっているのか、判然としない。
この人物は同時に左手で水差しを持っており、何をしようとしているのだろう。
しかしこの絵の謎は、これだけではない。
窓のある壁と奥の壁の角のすぐ上にステンドグラスの枠の端があり、枠の向こう側はすぐ壁でなければならない。
枠の向こう側には空間はないのだ。
この人物の立っている場所は、その存在しない空間ということになる。
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フェルメールの謎 2 2018.9.25


「牛乳を注ぐ女」 上野の森美術館 フェルメール展予告チラシから。

この絵のまず目につく点は、このテーブルはどうなっているのかということだろう。
壁側のテーブルの線は見えずわからないが、四角いテーブルであれば奥の2つの壺はテーブルから落ちてしまうような微妙な配置
になっている。では多角形のテーブルということになろうか。(としばらく私は思っていたが、牛乳を注がれている取っ手の中の丸く抜けた空間の下半分、左の青い壺の左、女の腰に巻かれた青い布とパンの凸凹の、パンのくぼんだ部分、ざるのむこう側の取っ手の中に、少しずつテーブルの向こう側が描かれており、それをつなぐとテーブルは5角形ということになる。と錯覚したが、女の腰に巻かれた青い布とパンのとがったところがせっするところに、もうひとつテーブルの角があり、テーブルのこちら側の幅からすると牛乳が注がれる壺の向こう側にもう一つ角がなければならず、6角形ということになる。
しかしなぜか?私はここに直感的に6角形のテーブルを思い浮かべるのは、ある難しさを感じている。
なにかここには非常に周到に計算されたものを感じる。さらには壺を持っている右手の指、青い壺の上のなにか。
壁の交わる線は垂直であるのが普通だが、わずかに左に傾いている。
一見透視法に従っているように見える窓の格子は一点に集まらない。
そして壺の中の牛乳の見えるはずの表面は描かれていない。
こうした点は、安定した世界の中の何らかの違和感になっているのではないだろうか。
201810.15
フェルメール展を見た。
フェルメール展予告チラシや、展覧会ホームページの画像と違って、どの絵も原作は明るく影の部分が暗くつぶれていない。
この作品も色彩が輝いていて、チラシでは見えなかったが、テーブルの壁側の「線ははっきり描かれていた。
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フェルメールの謎 3 2018.9.30
「手紙を書く婦人と召使」 上野の森美術館
この絵の第一印象は、ある室内の日常の情景といったものだろう。
召使の表情は窓の外のなにかを見て反応しているように見えるのだが、左手前の大きい布(カーテン?)に
隠されているため、窓があるかどうか、知ることはできない。
窓の奥に白いカーテンか斜めに垂れ下がっているが、これは上段の窓、中断のステンドグラスの窓、下の
壁にそれぞれかなり段差があることによる。
こういう構造とカーテンの作り方は、一般的なものだったのだろうか?
窓の下の壁と奥の壁の交わった線は白いカーテンの下には描かれているが、カーテンの上にはなぜか
なくなってしまっている。
この白いカーテンが隠している部分はどうなっているか?想像するのは非常に難しいと思う。
この絵も透視法にによって描かれているように見えるが、窓、床の延長線は一点に交わらない。
手前の床に何かが落ちていて、これは部屋の印象にそぐわないようにも見える。
そして手紙を書く夫人と、立っている召使の大きさ(小ささ)は、どうだろう。
夫人が立ち上がったとしたら、どのくらいの身長差になるだろう。